書籍:「食物アレルギーの息子とその家族の16年間の物語」
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こんにちは、ちよです。
このブログでは、アレルギーに関することを中心に発信しています。
最近増えてきている甲殻類アレルギー。
甲殻類アレルギーだと、どんな食材に気をつければ良いのでしょう!?
甲殻類はもちろんですが、食品の原材料表示だけでは判断出来ない意外な食品もあります。
甲殻類アレルギーを起こす可能性がある食材や加工食品を考えてみました。
甲殻類アレルギーに関係がある食材は?
甲殻類アレルギーだと注意したい食材は甲殻類の他にもあります。
イカやタコなどの軟体類、貝類、甲殻類やそのエキスが使われている食品など。それから少数ではありますが、はちみつにも反応してしまう方もいます。
どの食材や加工食品がダメなのかはその方の敏感さなどが関係するので、個人差があります。
気になる食材を全部を食べられない方もいれば、その中の幾つかが食べられない人もいます。それと、食べてよいか判断途中で、食べられる可能性があっても除去しなければならない時期があります。
甲殻類でのアレルギー反応は、呼吸困難など危険な症状が出やすい食材の一つです。食べられる物と食べられない物を確認する時は、医師の指示の元で探してください。
では、以下に可能性がある食材を、それぞれまとめました。
甲殻類アレルギーは甲殻類全部だめ?
甲殻類って?
甲殻類とは、節足動物の一つで、エビやカニ、アミなど全身を硬い殻に覆われている生き物を言います。
エビ類もカニ類も食用は沢山あり、全部は書ききれないのですが、以下のような物があります。
アカエビ、甘エビ、アルエンチンアカエビ、伊勢海老、ウチワエビ、オマールエビ、車海老、桜えび、シバエビ、バナイエビ、ボタンエビ、ロブスター
イシガニ、イソガニ、ケガニ、サワガニ、ズワイガニ、タカアシガニ、タラバガニ、テナガエビ、マツバガニ
シャコ、オキアミ、ザリガニ、オキアミ
等々。
構造が似ている食材に反応する事があります
甲殻類ではない食物なのに、甲殻類を食べた時と同じようなアレルギー反応が出る食物があります。
どうしてそんなことが起こるのかというと、アレルギーを起こすたんぱく質などの構造や特徴が似ているからです。
このように違う物なのに似ている所があるために、似たような反応を起こす事を交叉反応と言います。
甲殻類での交叉反応は、イカやタコ、貝類などが有名です。
甲殻類全般に反応してしまう方はどのくらいいる?
甲殻類はざっと分けてエビやカニですが、どの甲殻類にもアレルギー反応が出るのでしょうか!?エビだけの人、カニだけの人なのか、エビもカニもだめなのでしょうか!?
答えは、どちらにも反応してしまう方は半数以上です。
先ほど説明した交叉反応で、甲殻類同士は構造が似ている部分が多く、交叉反応も起こしやすいようです。
この交叉反応ですが、エビとカニの構造は85~95%で類似していて、エビアレルギーのうちカニにもアレルギーを起こす方つまり交叉反応は65%というデータがありました。半数以上はエビにもカニにもアレルギー反応が出てしまいます。
ただ起こしやすくはあるものの、100%ではありません。どの甲殻類にアレルギー反応があるのかは調べ、食べられない物だけ除去すればよいと思います。
ちなみに、血液検査で出来る甲殻類は、エビ、ロブスター、カニです。
ただし、血液検査ですべてが決まるわけではなくて、判断材料の一つでアレルギー歴や、他の判断材料などと総合的に診て判断します。
イカやタコなどの軟体類、貝類
どの位の人がイカやタコ、貝類が食べられないの?
甲殻類のエビと軟体類であるイカは、60%前後構造上類似していて、エビにもイカにもアレルギーを起こす方はつまり交叉反応は17.5%、タコは20.3%だそうです。エビと貝類との交叉反応は、約20%だそうです。
エビとの関係は20%程です。カニとの関係はわかりませんが、エビとカニの関係は約65%。そのエビとの関係は約20%。その数値から推測して、甲殻類はダメでも軟体類は食べられるという人は比較的多いのではないでしょうか!?
ただ、甲殻類とイカやタコ、貝類でアレルギーを起こす関係は規則性がなく、個人差があるようです。つまりどの方がどの食材に反応するかは個々で違うという事です。
特に貝類は種類も多く、寿司ネタだけでも何種類もあります。
血液検査で調べられるのは、イカ、タコ、アサリ、牡蠣、ホタテ、ムラサキイガイ(ムール貝)です。
ただし、血液検査ですべてが決まるわけではなくて、判断材料の一つでアレルギー歴や、他の判断材料などと総合的に診て判断します。
イカやタコ、貝類の餌が影響する事も!
イカやタコの餌は、エビやカニもや小魚など。プランクトンも食べます。貝類もプランクトンが主な餌です。
プランクトンとは、浮遊生物とも言います。水中に浮遊して生活する微小な生物の総称です。甲殻類の赤ちゃんもプランクトンの1つです。時々消化していないエビやカニの赤ちゃんやオキアミが貝の中から見つかったりしますね。
血液検査ではイカやタコ、貝類の成分には反応しなくても、実際食べるとアレルギー反応が出る可能性として、イカやタコ、貝類が日常食べていた餌も関係しているのかもしれませんね。
イカやタコについてもう少し詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 甲殻類アレルギーはイカやタコにも注意が必要?
貝アレルギーは、オイスターソースにも注意
貝アレルギー、特に牡蠣でアレルギー症状が出る方は、中華料理で良く使われるオイスターソースにも注意が必要です。
なぜならオイスターソースは、原料に牡蠣が使われているからです。オイスターソースは、牡蠣の煮汁を加熱濃縮して他の材料と混ぜて作ってあります。
中華料理の他にも、冷凍食品、レトルト食品やインスタント麺などの中華風加工食品にも使われていることがあります。
ただ、牡蠣にアレルギー症状が出るからと全員がオイスターソースにも症状が出るわけではないと思います。やはり各々の敏感さで差が出ると思います。
かまぼこや魚肉ソーセージなどの魚肉練り製品
甲殻類アレルギーの方は、魚肉練り製品にも注意が必要です。
魚肉練り製品とは、魚肉をすりつぶして蒸したり揚げたりしてある加工食品です。かまぼことか、魚肉ソーセージとか、ちくわとか、さつま揚げとかで、おでんにもよく使われますね。
魚肉練り製品の材料に用いられている魚肉は,網で捕獲したものをそのまま原材料として用いるため,どのような種類の魚介類から作られているか把握できていないことが多い(第 34 回薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会表示部会食品表示調査会資料)とあります。
確かに多くの練り製品の原材料表示を見ても、「魚肉」とあるだけで何の魚が使われているかわかりません。
魚肉の中には甲殻類も入っている可能性があります。他には、魚がオキアミという甲殻類を食べている可能性があるのです。
オキアミとは、軟甲綱 真軟甲亜綱 ホンエビ上目 オキアミ目に属する甲殻類の総称。形態はエビに似るが、胸肢の付け根に鰓が露出することなどで区別できる。プランクトン生活をおくる。とあります。
このオキアミは、甲殻類です。実際魚肉製品から甲殻類アレルギーの原因の一つであるトロポミオシンというたんぱく質も見つかることがあります。
ところで、エビやカニはアレルギー表示義務対象品目ですが、餌までは教示義務はありません。魚肉を使用した場合も、甲殻類が入っている可能性があっても表示義務はありません。
このように、直接使われて無くて表示されていなくても、間接的に入っている事もあるのです。
味付け海苔、味付け海苔、スナック菓子やせんべいも!?
加工食品のうまみエキスに使われる!?
味付け海苔やふりかけ、スナック菓子など加工食品には、風味付けやうまみエキスにエビが使われていることがあります。エビだけでなく、イカやタコ、貝類も旨み成分として抽出される食材の一つです。
原材料表示に、”エビエキス”などど表示されています。
エビエキスなどと表示されているとわかるのですが、”魚介エキス”と表示されている事があります。この魚介エキスにはエビも混入している事があります。
魚介エキスと表示されている場合、魚肉練り製品と同様に、何の魚介が使われているかはわかりません。原材料表示だけでは判断が難しく、甲殻類も混入の可能性があると思っていいと思います。
軽い方で、エキス成分ではアレルギー反応が出なくて医師からも許可が出ている方は良いのですが、食べて違和感を感じる方や、甲殻類完全除去の方は注意が必要です。
魚介エキスを使っている加工食品は?
魚介エキスを使用している可能性がある加工食品は、味付け海苔、ふりかけ、レトルト、カップ麺、スナック菓子、せんべいなどではないでしょうか!?
全部を把握する事は難しいので、原材料表示を確認し、エビやカニという表示がなくても、魚介エキスと書いてあったら、甲殻類も混入の可能性あります。
またふりかけには、オキアミなど小さな甲殻類が入っている事もあります。
蜂の子、ローヤルゼリー、はちみつでも可能性あり?
蜂も甲殻類と構造が似ているところがあります。
蜂の子は珍味なので食べた事はありませんが、甲殻類アレルギーの方は、蜂の子にもアレルギー反応が出る方がいます。
また、蜂が作るローヤルゼリーやハチミツでもアレルギー反応がでる方がいるようです。
特に甲殻類アレルギーがひどい方や敏感な方は、気をつけてください。
ちなみにハチミツは 、ボツリヌス菌による食中毒の報告があります。抵抗力が低い1歳未満は禁止です。1歳を過ぎ抵抗力がついてからにします。はちみつが使用されているお菓子も同様です。はちみつは、甲殻類アレルギーには関係なく1歳を過ぎてからです。
甲殻類アレルギーだと、甲殻類以外にのイカやカニ、貝類、意外な加工食品にも反応する可能性がある事がわかりました。
ただ個人差がありますので、どの食材が食べられないのかは確認が必要です。
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