書籍:「食物アレルギーの息子とその家族の16年間の物語」
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こんにちは、ちよです。
このブログでは、アレルギーに関することを中心に発信しています。
アレルギー症状で起こる皮膚のかゆみは長引くことも多く、本人もその家族もそれはそれは大変です。
皮膚のかゆみから解放される方法はないのでしょうか!? 今回はアレルギー症状による皮膚のかゆみの中で、アレルギー性のじんましんや接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎について整理し、皮膚のかゆみへの対策を考えました。
アレルギー症状によるじんましんには飲み薬が基本です
アレルギー症状によるじんましんって?
じんましんは、赤くてぷくっとむくんだ発疹が出てきて、痒く、一つ一つの発疹は24時間以内に消えるのが主な特徴です。熱感や痛みを感じる事もあります。
ただし、赤い発疹が全てじんましんというわけではありません。
湿疹が出た時は、先生に直接見せて診断してもらうのが一番です。でも、病院へ行ったときにはもう落ち着いていることもあります。可能なら、写真があると参考になります。
じんましんが出る原因は、アレルギー、皮膚の圧迫、寒冷、紫外線、疲労、ストレス、風邪などによる体調不良など様々な要因があります。原因が複雑で治療をしても何か月も治らない方もいらっしゃいます。
アレルギーの場合の原因は、食物、植物、ゴム、はちなどの昆虫が有名です。
これらでおこるじんましんは、即時型アレルギー反応で数分から数時間以内に起こります。落ち着いてきても数時間後にまた出てくる場合もあります。
皮膚ではなく、粘膜や器官にじんましんが起こることもあります。
ただ食べただけでは何ともないのに、運動や入浴をするとじんましんや息苦しさが出ることがあります。食物依存性運動誘発性アナフィラキシーです。
特に10代が多いと言われています。給食の後、お昼休み外で遊んだり午後の体育も影響するからかと思います。
治療は?
アレルギー症状による皮膚のかゆみは、非アレルギー性と違って食物など原因の物が出ていけば治まってくると思います。
薬は飲み薬を使います。じんましんの場合、塗り薬ではあまり効果を期待できません。
かゆみはかなり強く、かきむしらずにはいられないほどです。でもかいてしまうと、傷だらけになってしまいます。薬が効いてくるまでは、本当にかゆみとの戦いです。
食物アレルギーが起こす接触皮膚炎
アレルギー性接触皮膚炎って?
触皮膚炎は2種類に分けられます。
酸やアルカリの強い洗剤や、毒性の昆虫、衣服による摩擦など、刺激された時に出てくる刺激性の接触皮膚炎と、食物や金属、植物、ゴム製品などアレルギーがある場合に、それらのアレルゲンを触れてしまって出てくるアレルギー性接触皮膚炎です。
どちらも症状は、湿疹が出てきてかゆみやヒリヒリ感があります。
原因を明らかにし、その原因を絶てばよくなります。
アレルギー性の場合、使い続けていくうちに特定の物にアレルギーになってしまい、ある日から皮膚炎やかゆみが出てくる場合もあります。
アレルギーになってしまったら、アレルゲンがほんの少しの量しかついていなくても皮膚炎を起こしかねません。
重症な場合はアレルゲンがついて皮膚に症状が出るだけでなく、吸収されて全身や器官、内臓に症状が現れてアナフィラキシーを起こしてしまう事です。
また、アレルゲンがつくだけでは何ともないのに、光に当たると皮膚炎を起こしてしまう光アレルギー性接触皮膚炎もあります。
治療は?
治療は原因物質の除去と、ステロイドや保湿剤などの塗り薬がメインで、飲み薬は補助的に使用します。この点はアレルギー性のじんましんとは逆ですね。
ただし、かゆみが強かったり、全身性、重傷な場合は、初めから飲み薬も使います。
飲み薬は抗ヒスタミン薬がメインですが、症状が重かったり治りが悪い時はステロイドも使用します。
ステロイドの内服薬は、短期で使う場合は副作用の心配は少ないと思います。
ただ、勝手やめてしまったり、用法用量を自己判断すると、副作用が出やすくなるのでそれはやめましょう。
心配な事は医師に相談しながら、治療を進めていって下さい。
食物アレルギーの方でアレルギー性接触皮膚炎を避けるために注意したい事ですが、食物だけではなく、シャンプーやせっけんなど、食物ではない物にもにもアレルゲンが使われていることがあるという事です。
うちの子は乳児の頃、乳成分に触れただけで大ごとになってしまう重度の乳アレルギーでした。
ある銭湯に行った時の事です。銭湯で使おうとしたシャンプーに乳成分が入っていた事がありました。使用前に気が付いたので大事には至りませんでしたが、もし使用していたら皮膚のかゆみだけではなく、アナフィラキシーを起こしていたかもしれません。
食物だけではなく使うものは全て、何が使われているのか原材料表示を確認するべきだと再認識しました。
良くなったり悪くなったりはアトピー性皮膚炎の特徴
アトピー性皮膚炎って?
アトピー性皮膚炎もアレルギー症状の一つです。治療をしていても良くなったり悪くなったりを繰り返し、一筋縄ではいかないのが特徴です。
掻き続けると慢性化し、皮膚が固くなってきたり、苔癬化(たいせんか)と言って、乾燥し厚くゴワゴワした感じの皮膚になってしまします。
皮膚のかゆみは強いし、でも掻くと皮膚が傷んでますます治りが悪くなります。掻いてはいけないけれど、掻かずにはいられない。そんな状況が長く続いてしまいます。
治療は?
アトピー性皮膚炎の治療ポイントは、 「原因になる要因を減らす」「かゆみへの対策」「皮膚のバリア機能の修復」の3つです。
原因としては、食物アレルギー、ダニ、空気の汚染、温度や湿度、心理的な物などが複雑に絡んでいます。ただし、すべてを排除するのは難しく、原因やリスクを減らしていく努力をします。
乳児の頃は、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎を合併している子供さんは半分くらいいると、いわれています。
又、乳児湿疹との区別も難しいようです。
離乳食が始まる前に、まずは皮膚の治療を行ってみます。その後で食物除去が必要か判断するのが望ましいと思います。
食物の過度な除去は発育へも影響します。混同しないように注意し、不必要な除去は避けたいものです。
添加物を減らし、バランスの良い食事を心がけます。食物繊維を摂る事も、肌をきれいにする事につながるようです。
治療ですが、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの塗り薬で皮膚のかゆみや炎症を抑え、少しでも掻く事から解放され、皮膚を修復させていく方法が基本です。飲み薬は必要に応じて補助的に使います。
それから、皮膚は荒れて乾燥していることが多いので、その間は保湿も心がけます。
ステロイド外用剤は、上手に使うと効果が期待できる薬なのに、副作用が心配だと敬遠される方も多くいます。
確かに薬なので副作用の心配もありますが、正しく理解されず少し過度に敬遠しているようにも感じます。
例えば次のような事です。ステロイド内服薬の副作用との混同してしまう。
アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚炎で、悪化時にステロイド外用剤で悪くなったと勘違いしてしまう。
用法以上に使いすぎていたり、自己判断で急に辞めてしまう。急に辞めるとリバウンドすることがあります。
タクロリムス軟膏は、ステロイドではない作用で皮膚のかゆみや炎症を抑えます。
ステロイド外用剤での副作用の心配はありませんが、タクロリムス軟膏も欠点があります。
2歳未満の子供さんや妊婦さんは使えません。また、ヒリヒリ感などが強いので傷があると使えません。
ステロイド外用剤と必要ならタクロリムス軟膏をうまく使い分けながら治療を進めていく事が推奨されています。
アトピー性皮膚炎の治療はとてもテクニックがいるので、慣れた専門の先生をお勧めします。
家庭での皮膚のかゆみ対策
掻いてはダメってつらいものです。でも掻くと傷が出来てしまい、ますます悪化してしまいます。
まず爪は短く切ってあげましょう。直接掻かないで済むように、袖が長めの服を着せるのも良いでしょう。
うちでは、子供が小さい頃はできるだけ母親である私が掻いてあげていました。掻くと言ってもポイントがあります。服の上からそっと掻いてあげて、皮膚が傷つかないように気をつけます。あの強いかゆみをかいたらダメ、とはあまりにも酷です。子育てで否定的な言葉を使いすぎたくないっていうのもありました。掻いてはダメではなく、条件付き掻いて良いにしました。
皮膚のかゆみや炎症を抑える塗り薬は、基本1日2回までです。そこで薬が使えない時に私が気に入っていたのは、大根やきゅうりのすりおろしをガーゼに包み、痒い所に充てていました。意外と効果がありました。傷があるとピリピリするので、すりおろしを薄めても大丈夫です。肌の調子が悪いとPHバランスが崩れています。大根やきゅうりで効果があるのは、それを調整するからではないかと思います。
アトピー性皮膚炎は肌のバリア機能も落ちています。洗いすぎはますますバリア機能を落とします。ごしごしではなくそっと洗い、石鹸で洗う回数は、1日1~2回位までだと思います。汗をほおっておくとそれも刺激になりやすいのですが、シャワーなどで流すだけで十分です。
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