書籍:「食物アレルギーの息子とその家族の16年間の物語」
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こんにちは、ちよです。
このブログでは、アレルギーに関することを中心に発信しています。
大豆は日本の食卓に色々と形を変えて出てきます。
豆腐、厚揚げ、うすあげ、がんもどき、納豆、豆乳、などなど。味噌や醤油にも使われています。枝豆は大豆のが若くて青い時に収穫したものです。
栄養も豊富で「畑のミルク」とも呼ばれています。
ただ、最近大豆アレルギーの方は増えています。
そこで、今回は豆腐や納豆を中心に説明します。
大豆アレルギーは食物アレルギーの1つです
食物アレルギーって?
大豆アレルギーは、食物アレルギーの1つです。そこでまず、食物アレルギーについて簡単に説明します。
食物アレルギーとは、有害でない食物に体が過剰反応してしまい、アレルギー症状が出てしまう事です。
アレルギー症状は、胃痛、腹痛、嘔吐下痢、口や喉の中のかゆみ、じんましん、喘息などいろいろあります。
どこにどんなアレルギー症状が出るかには個人差があり、中には、アレルギー症状がいくつも現れるアナフィラキシーまで進み、ショックを起こす方もいらっしゃいます。
この食物アレルギーですが、赤ちゃんの頃が一番多く、10に1人くらいだと言われています。
そして、その食物アレルギーの赤ちゃんの約半分はアトピー性皮膚炎と言って、湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚炎を合併しています。
食物アレルギーなのか、アトピー性皮膚炎なのか、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の両方なのかで治療の仕方が違ってきますので、判断が必要です。慣れた専門の病院で相談しましょう。
この、赤ちゃんの頃が一番多い食物アレルギーですが、大きくなってくると多くのお子さんが治っていきます。逆に大人になってから食物アレルギーを発症してしまうと、治るのは難しいようです。
大豆アレルギーの特徴は?
大豆でのアレルギー症状の出やすさは、食物アレルギーの中では10番目位です。
症状としては、乳幼児の頃は湿疹やアトピー性皮膚炎、小学生位になってくると口腔アレルギーと言って、口の中や喉に違和感や、かゆみ、イガイガ感です。
大豆でのアレルギー症状も乳幼児に多く、乳幼児の頃の症状は、湿疹やアトピー性皮膚炎として出る事が多いので、大豆アレルギーが関係しているのか、ただのアトピーか慎重に調べる必要があります。
もし、大豆がアレルギーに関係していないのであれば、大豆を除去する必要はありませんから。
ただ、大豆アレルギーだとしたら、大豆製品を食べると湿疹やじんましんなどアレルギー症状が出てしまいます。
そこで、大豆や大豆製品をいったん除去し、症状や年齢を加味しながら、徐々に慣れて食べられるように練習をしていきます。この練習は、増やす量やタイミングなどの管理がとても難しいので、自己判断ではなく、慣れた専門の先生に指示してもらいましょう。
大豆製品全てを除去しなければならない重症な方もいますが、そうでなくアレルギーが出やすい大豆品だけを除去すればよい方もいます。
成長してきたり、適切な治療でだんだんと食べられるようになってきます。それに伴って食べられる大豆製品も増やしていけます。
うちの息子は沢山の食物にアレルギー症状が出ていて、もちろん大豆アレルギーもあったのですが、大豆は比較的早く食べられるようになりました。
大豆アレルギーも乳幼児の頃に多いと書きましたが、早いうちに治る事が多く、3歳の頃には8割近くが治っているようです。
大豆製品によってアレルギー症状に出やすさの違いってあるの?
大豆製品には何がある?
大豆製品の違いでアレルギー症状の出やすさに違いはあります。
大豆アレルギーだけど、除去まではしなくてよいとか、除去は必要だけど大豆製品によるなど、人それぞれです。
大豆アレルギーで完全除去の場合でも、大豆以外の豆類(小豆・エンドウ豆・インゲン豆)や醤油や味噌、もやしなどは食べられることが多いようです。
大豆製品には、豆腐・厚揚げ・うすあげ・がんも・ゆば・豆乳・きなこなどがあります。また、大豆を若いうちに収穫したものが枝豆です。これらでのアレルギー症状は出やすいようです。
納豆も大豆からできていますし、味噌や醤油も大豆が使われています。これらは豆腐などよりは出にくくなります。味噌や醤油に関しては、ほとんどの方は食べられます。
他にもレシチンや乳化剤などの中には大豆も原料になる添加物がありますので、気を付けましょう。ただ、添加物での出やすさは弱く大丈夫な方が多いようです。
製造の仕方で出やすさに違いがあるのはなぜ?
個人差はありますが、どの位使われているか、生か過熱、発酵などの処理をされているかなどでアレルギー症状の出やすさには差が出てきます。
敏感な方はごく少量でもアレルギー症状は出てしまいます。また、沢山食べると症状は重くなりるので、食べる量は徐々に増やしていきます。
生と熱が通ったものでは、熱を加えた方がアレルギー症状は出にくくなります。
食物アレルギーの多くは食品の中のタンパク質に反応してアレルギー症状が出ます。熱を加えると、タンパク質の熱変性と言って、タンパク質の一部の構造が壊れます。一部の構造が壊れるのでその分アレルギー反応を起こす細胞の部分と結合しないタンパク質が出てきます。その分アレルギー反応が弱まるのです。とはいえタンパク質のままなので、生と比べたら起こしにくだけで、起こさないわけではありません。
生>加熱 という感じです。
大豆や大豆製品は生では食べないのですが、他の食品についても同じです。
発酵食品とそうでない物でも出やすさに差があります。
発酵されるとタンパク質はアミノ酸に分解されてきます。食物アレルギーの症状はタンパク質と反応して出る事が大半ですので、アミノ酸に分解されてしまうと出なくなります。
豆腐と納豆ではどちらが出にくい?
ちなみに豆腐や納豆はどうやって作られているのでしょうか。ざっくり説明します。
豆腐は、大豆を茹で細かくつぶしそのしぼり汁をにがりというもので固めて作られます。
納豆は、大豆をゆでて納豆菌をまぶし保温し作られます。
豆腐も納豆も製造過程で熱は加えられます。
ただ、どちらも熱を加えて作られていますが、アレルギーの出やすさには差があります。
豆腐と納豆ではどちらが出にくいのかというと、納豆の方がアレルギー症状は出にくくなります。
違いは「発酵」です。
ただ、納豆のすべてがアミノ酸に分解されているのではありませんので、注意してください。
発酵と言えば、味噌や醤油も発酵食品です。
これらも発酵によって、アミノ酸に分解されているので出にくくなっています。味噌や醤油はかなりアミノ酸に分解されているので、ほとんどの方は食べても大丈夫です。残念ながら少数ですが、味噌や醤油でもアレルギー症状が出てしまう方もいますので、慣れた専門の先生に相談しながら解除していきましょう。
出やすさは、 豆腐>納豆>味噌・醤油 という感じです。
大豆アレルギーではないのに納豆が食べられない!?
大豆アレルギーではないのに納豆にアレルギー症状が出てしまう方がいます。
そのような方は、もしかしたら納豆菌に反応しているのかもしれません。
納豆菌のポリガンマグルタミン酸がアレルギー反応に関係していることがあるようです。
もしそうだとしたら、アレルギー反応はすぐには出ないで少ししてから出てくることが多いようです。
疑わしかったら、慣れた専門のアレルギー専門の病院で相談し、原因を見つけましょう。
納豆菌だけがアレルゲンだったら、豆腐や厚揚げなど、大豆製品は食べて良しという事です。無駄に除去せずに済みます。
大豆アレルギーで、豆腐と納豆で知っていたいことは?
納豆は発酵食品なので、豆腐よりはアレルギー症状は出にくいようです。とはいえ大豆をしっかり使っているので、食べてもアレルギー症状が出ないというわけではなく、個人差があります。
大豆アレルギーではないのに納豆にはアレルギー症状が出る方がいます。もしかしたら、納豆菌に反応しているのかもしれません。
大豆に反応しているのか、大豆製品のどれが食べられるのか、また納豆菌に反応しているのかをみつけ、食べられる物を無駄に減らさないようにしましょう。アレルギー症状が出て大変な目に合うかもしれないので、自己判断は避け、慣れた専門の先生に相談しましょう。
大豆はタンパク質やミネラルが豊富な栄養満点の食品です。食べられる大豆製品は食べたいですよね。でも、もし食べられないとしたら、食べられるタンパク質で補ってくださいね。
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