運動したら強いアレルギー症状が!食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

アレルギー

書籍:「食物アレルギーの息子とその家族の16年間の物語」
経験をもとに書きました。Amazonで販売中です!

こんにちは、ちよです。
このブログでは、アレルギーに関することを中心に発信しています。

えっ!? アレルギー症状に運動が関係あるの?

そう思われている方は、多いのではないでしょうか!?

でも、実は関係があるんです。

ある特定の食物を食べた後に運動をするとアレルギー症状が出てしまう、しかも重篤に出てしまう事があります。

少しでも回避できるように、食物アレルギーと運動の関係について書きました。

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食物アレルギーってなあに?

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食物アレルギーとは

まず食物アレルギーの事を少し書きますね。

食物アレルギーとは、有害でない食物に体が過剰に反応してしまい、アレルギー症状がでてしまう事です。

主なアレルギー症状は、胃痛、腹痛、嘔吐下痢、口や喉の中のかゆみ、じんましんなどです。

どこにどんなアレルギー症状が出るかは個人差がありますが、体の色々な所に、色々な症状が出てしまう可能性があります。

全身にアレルギー症状が出てくるアナフィラキシー

症状が進むと、呼吸がヒューヒューと言い始めて喘息が出てきたり、呼吸をする為の器官が腫れて息苦しくなったりします。

重症な方は、全身にアレルギー症状が出てきてしまいます。これをアナフィラキシーと言います。

また、アナフィラキシー症状に、血圧低下まで加わりショックを起こしてしまう事を、アナフィラキシーショックと言います。

アナフィラキシーは、以下のような症状がいくつか又は、全部に起こってきます。

腹痛・嘔吐・下痢

唇や目など粘膜の腫れや口の中やのどの違和感やかゆみ←ーー気管も腫れている可能性があります。

じんましんやかゆみ

せき・くしゃみ・鼻水

ゼーゼーとかヒューヒューと音がする呼吸(喘鳴)、息が苦しくなる(呼吸困難)←ーーショックを起こす兆しの一つです。

血圧の低下・・体温が下がったり、唇が紫色になりします。←ーーショックを起こしています。

気を失うなどの意識障害

すぐ手当が必要です。救急で病院へかかってください。

アナフィラキシーを経験した方は用心すると思うのですが、初めてだと何が起こっているのかわからず混乱してしまうと思います。

もし、赤ちゃんや子供さんが、いつもと様子が違って機嫌が悪かったり、元気がなかったり、眠くないはずなのに寝てしまっていたり(意識障害の可能性)している時は、アナフィラキシーの初期症状の事もあります。しっかり観察し、対応をしましょう。

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運動をしてアナフィラキシーを起こす事もあります。

食物依存性運動誘発性アナフィラキシーって?

 

このアナフィラキシーですが、アレルゲンかもしれない物を食べただけでは何ともないのに、運動をするとアレルギー症状が出てきてしまう事があります。これを、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと言います。食後だいたい2時間以内に出てきます。

全身のじんましんやむくみが出てきて、そのうち7割は、ゼーゼーという喘鳴や喘息、呼吸困難が出ます。7割って結構な割合です。

もっと進むと、血圧まで低下してショックを起こしてしまいます。なんと約半数はショックまで進んでしまうと言われています。

食事の後運動をして、じんましんなど体に何か変化があったら油断禁物です。重症化する可能性が高いので、急いで対応する必要があります。

また、食事→運動でだけではなく、運動→食事でも起こる例があったようです。

どんな時に起こる?どうしたら良いの?

食事+運動でアレルギー症状やアナフィラキシーが出やすいのは、食後2時間位です。原因となる食物を食べたら2時間、できれば4時間は運動を避けましょう。

運動をする予定なら、原因となる食物を食べない事です。

「食べたら運動しない、運動するなら食べない」 これが発症を避けるための対策です。

もし、運動をしていて、何だか息苦しいなとか、かゆいなとか、いつもと違う違和感を感じたら直ちに運動するのをやめて安静にしましょう。

アレルギーの薬をお持ちなら服用したり、呼吸する器官を広げる為に吸入をしましょう。

ただ。そうしている間にも症状が進むようなら救急で病院を受診してください。

よくわからなくて不安な時も、急いで病院を受診してください。こういった症状の半数はショックを起こす可能性があります。

アレルギーがある方は、普段からお薬を持ち歩くことをお勧めします。

保育園や幼稚園、小学校となると、お母さんがいつも子供さんについているわけではありません。子供さんにも、違和感があったら、先生に伝えたり、自分で薬を飲んだりする事を日ごろから教えておいてください。

食物アレルギーの治療中で徐々に食べる量を増やしている時も、運動という負荷がかかることによってアレルギー症状が出てしまう可能性があります。

ちなみに私の息子は幼児の頃、乳製品の解除中で少しずつ乳製品を増やしていました。決められた量であれば乳製品を食べても何ともなかったのですが、ある時食べた後に外遊びをしていてこのアナフィラキシーを起こしてしまったことがあります。

どんな運動が起こしやすい? 起こしやすい食物ってあるの?

運動の種類ですが、上位3位は、球技、ランニング、歩行です。歩行が第3位になっています。激しい運動だけが関係しているのではないという事がわかります。

スポーツだけではなく、遊んでいて起こす事もあります。”運動=体を動かす事” という感覚で良いと思います。

この食物依存性運動誘発性アナフィラキシーですが、健康で元気な時よりも、風邪をひいていたり、寝不足や疲れていたり、ストレスがあったり、生理の前後の方が症状が現れやすくなります。また、実は痛み止めを飲んでいると悪化するリスクが上がります。

次に、原因となる食物ですが、小麦やエビカニなどの甲殻類の順に圧倒的に多く、次いでそば、魚類、フルーツ類、牛乳となっています。

ただ、他の食物では出ないというわけではありません。やはり自分がどの食物に敏感なのかも、関係してきます。

 それから食事だけではなく、おやつの後の運動でも可能性はあります。”食事=食べる” という感覚で良いと思います。10時とか3時とかのおやつの後も気を付けて下さいね。

食物アレルギーっ子はみんな起こすの?

食物アレルギーだからといって、全員が起こすわけではありません。

数千人に一人と言われています。

ただ食事+運動で、アナフィラキシーが起こる可能性があるとあまり知られていません。

じんましんや息苦しさが出てもそれが、食物依存性運動誘発性のアナフィラキシーかもしれないと、本人も周りも気が付かない場合があります。その為適切な処置や治療がされず、辛い思いを繰り返してしまっている人もいるようです。

食物アレルギーが今までなかったので特に気にしていなかった時などに急に起こってしまったら、思いつくのは難しいかもしれませんね。

もし運動した時に、じんましんやむくみが出たり、息苦しい事があるようならば、運動をやめて安静にし、速やかに対処していく必要があります。

そして、いつも同じ成分が入った何かを食べた前後ではないかよく思い出してみましょう。もし共通した何かがあるならば、病院で伝え原因を探してください。

次に、起こしやすい年齢ですが、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを起こす年齢は、小中学生や高校生に多いようです。これはお昼ご飯の後にお昼休みや5時限目の体育の授業が関係しているのではないかと思います。

実際5時限目の体育の授業の時が一番多く発生しています。

ただ、小中学生や高校生に多いとはいえ、幼児期や大人は大丈夫というわけではありません。

うちの子がこのアナフィラキシーを起こしたのは、幼児の頃3時のおやつを食べた後に、外で遊んでいる時でした。

保育園、幼稚園、学校と情報を共有しましょう

アレルゲンの食物を食べた後に、運動をすることで、アナフィラキシーが起こるかもしれない事を、先生方が知っているとは限りません。むしろ知らない先生が多いかもしれません。

食物アレルギーのあるお子さんをお持ちの方、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを起こした事があって、その可能性がある方は、学校へ伝え、起こした時どうしたら良いのかを相談しておく必要があります。

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エピペンと言って緊急に応急処置をする注射もあります

治療は?

 

発症防止の薬は今の所ありません。出ないようにする。もし出てしまったらすぐに対処する。それが悪化を防ぐ対策です。

心配な方は主治医の先生と相談してからになりますが、エピペンという緊急に対応する薬を持っておくこともできます。

エピペンって?

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エピペンとは、アナフィラキシーが出てきた時に、ショックを防ぐために応急処置として使用する自己注射です。

あくまでも応急処置です。かゆみなど、ショック以外のアレルギー症状を治療するための注射ではありません。

また、エピペン使用後は速やかに医師の治療を受けてください。

誰でも使用できるの?

使用は15㎏以上で、医師が診断し、必要と判断したら処方してもらえます。15㎏といえば3歳前後くらいだと思います。

アナフィラキシーが心配なのでエピペンを持っておきたいという方は、かかりつけの医師に相談してみてください。

エピペンは、基本使用する本人が管理します。小さくて自分で管理できない年齢の方は、家族も一緒に管理できます。

エピペンは自己注射ですが、アナフィラキシーが起こっている時に小さなお子さんが自分で自分に注射するのはとても難しいと思います。自分で注射ができない時に限っては、家族も注射をしてあげられます。

保育園や学校など、家族から離れている時にアナフィラキシーを起こす可能性もあります。

現在では自分、家族、救命救急士、関わる教職員、保育所職員、保育施設の方も可能になってきています。

詳しくは、かかりつけの医師や薬剤師に相談したり、エピペンのガイドラインで確認してください。

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自分で自分の体を守る意識って大切ですものね。

子供の頃の食物アレルギーの多くは適切な治療や成長で改善していきます。

この食物依存性運動誘発性アナフィラキシーも、いつの間にか出なくなっているという事はよくあります。

ただ、残念ながら成長してからの発症は治るのは難しいようです。

原因となる食物を食べた後の運動は、アナフィラキシーが出てしまう方は避けることはもちろんですが、出ない方も過信せず、違和感があったらすぐにやめて対処してください。

自分で自分の体を守る意識って大切ですものね。

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コメント

  1. 丸山智久 より:

    こんにちは。たまたま検索して拝見しました。家は三人の子供がいて、長男高校一年はずっと卵と落花生のアレルギーで苦しんできました。今は落花生以外は解禁していますが、卵自体好んで食べません。でも何とか自分でやっていけてます。しかし一番下の次男は今年4月から小学校に入りました。この子は乳児の頃に乳製品でアナフィラキシーをおこし、アレルギーがあることを知らされショックを受けました。乳製品、乳、小麦、落花生、そばなど。乳製品やそば、落花生完全除去をしております。乳の負荷試験で呼吸が苦しくなったからです。小麦は含有量30グラムまでは負荷試験で大丈夫だったので、給食は学校、給食センター、市の協力のもとに毎日立合いをして調整しています。この前30グラム以下の小麦を接種し運動会の練習の最中に、呼吸が苦しくなり家内がエピペンを投与して、救急搬送されました。かかりつけの病院で運動誘発型のアナフィラキシーだと言われ、なぜ、と愕然としております。かかりつけ医が約一ヶ月前からこなくなってしまったらしく、そこではもうできないと言われ別の医大で、次回その相談に行く予定です。文章を読ませて頂いて、お子さんかかなり完治、コントロールできているということで、どうしていったらいいのかみたいな、少しでもアドバイスがいただけるものならと思い、コメントさせていただきました。

    • ちよ ariyama より:

      こんにちは ^^) コメントをありがとうございました。
      お子様の為にとても頑張られていているのですね。素晴らしいと思います。

      〈落花生〉時として重い症状が出る場合があります。医師からの解禁があるまでは除去が良いでしょう。
      〈お兄ちゃんの卵〉卵を食べてアレルギー症状が出ていた時の苦い思い出があるので、あまり気が進まないのでしょうね。体調や気分に合わせ無理しなくてぼちぼちでよいと私は思います。ただ、せっかっく食べられるようになったので、時間をかけて卵に対して自信をつけていけるとよいですね。(うちの子は牛乳がそんな感じで、食材の一つ位の感覚でぼちぼち飲ませています)
      〈運動誘発性アナフィラキシー〉アレルゲンを食べて運動をする事で起こしてしまうアナフィラキシーです。小麦はまだ完全克服ではないようなので、運動をする時は小麦は避けた方が無難でしょう。また、体調が悪い時など、いつもと違う時は出やすくなります。小麦を克服出来たり、大きくなって来るといつの間にか出なくなっている方も大勢いますので(#^.^#)

  2. 吉崎榮一 より:

    70歳の男性です。8月7日と9月22日に全身に蕁麻疹を発症しました。これまでは1時間位で跡形もなく治りました。しかし、今回の2回は全身に発疹(丸く盛り上がっていた)がでました、2回目は不規則は形の赤い発疹が出ました。いずれの場合も受信し点滴を5日、経口薬を2週間ほど服用しました。1回目は寝不足、疲労、ストレスがあったと思います。8月6日には5キロのランニングをしました。2回目はランニングと途中から痒く、赤くなりました。アレルゲンは海老でした。
    ドクターは発症の状況を説明したにもかかわらず運動誘発アナフィラキシーの話はなく、この記事をみて自分なりに納得した次第です。

    • ちよ ariyama より:

      こんにちは。コメントをありがとうございました!(^^)!
      無事回復されて何よりです。
      運動誘発アナフィラキシーの可能性はあると思います。短い期間に頻回に発症されているようですので、現時点では体調が良い時でも、ランニングをされる前後は海老を避けられたほうが安心してランニングができると思います。
      ランニング自体は健康維持にも良いことだと思いますので、これからも楽しまれてください!!

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